高血圧の外食|塩分を抑えるメニュー選びのコツ

高血圧・心臓ケア

外食のたびに「何を頼んでいいのかわからない」と感じていませんか。

定食にするか麺類にするか、迷いながら結局いつものメニューを選ぶ。食後に「また塩分が多かったかも」と思いながらも、次の外食でも同じことを繰り返す。そういった方に向けて、シーン別のメニュー選びの基準をまとめました。完全な制限ではなく、「今日の外食でどこを工夫するか」という視点で読んでもらえると役立てやすいと思います。

この記事でわかること

  • 外食が塩分過多になりやすい理由
  • 定食・麺類・丼・コンビニ別のメニュー選びのポイント
  • 汁を残す・ソースをかけないなど今日から使える行動術
  • 高血圧の1日の食塩目標(二段階で整理)

外食はなぜ塩分が多くなるのか

外食と塩分の関係

家で作った料理と外食で、同じようなメニューでも塩分に差が出るのは、味の仕上げ方が違うためです。

外食の厨房では、回転よく料理を出すために調味料をある程度まとめて使います。味を安定させるには塩分を多めにする方がはっきりした味になるため、家庭料理より濃くなりやすい傾向にあります。スープや煮汁も使い切る前提で作られることが多く、全量食べると一気に塩分が上がります。

また、ソース・しょうゆ・ドレッシングがテーブルに置いてあると、料理にかける習慣のある方は「もうひとかけ」を繰り返しやすい。1回の追加で0.5〜1g前後、積み重なれば相当な量です。

高血圧の方の1日食塩目標(二段階)

基準 目標値
高血圧治療ガイドライン2025(日本高血圧学会) 6g未満/日
日本人の食事摂取基準2025年版(厚生労働省) 成人男性7.5g未満・女性6.5g未満/日

高血圧の方はより厳しい「6g未満」が推奨されます。主治医から別の目標値を指示されている場合は、そちらを優先してください。

1日6g未満を3食に分けると、1食あたりの目安は2g前後になります。外食は家庭料理より塩分が多い傾向があるため、外食の1食だけで3〜4g、場合によっては5g超えることも珍しくありません。

シーン別メニュー比較

シーン別メニューの比較

定食・麺類・丼・コンビニのそれぞれで、塩分が少ないメニューと多いメニューを整理します。数値はあくまで概算ですが、選択の優先順位をつける目安になります。

定食

定食は外食の中でも比較的コントロールしやすい形式です。主菜・副菜・汁物・ご飯が分かれているため、部分的に省くことができます。

定食の塩分比較(目安)

メニュー 食塩概算(1食) ポイント
焼き魚定食(汁物込み) 3〜4g程度 魚の塩加減+みそ汁が主な塩分源
から揚げ定食(タレ込み) 4〜5g程度 揚げ物のタレ・漬物が積み上がる
肉野菜炒め定食(ソース系) 4〜6g程度 炒め調味料+ソース追いかけが多い
煮魚定食(醤油ベース) 3〜5g程度 煮汁を残せば下げられる

※外食チェーンと個店で差があります。掲載値は目安としてご参照ください。

定食で塩分を減らすための3つの習慣

  • みそ汁の汁は半分残す。具を食べて、汁を半量残すだけで0.5〜1g下がります。
  • 漬物は1〜2切れにとどめる。梅干しや奈良漬けは1個で1〜2g相当のものも。
  • テーブルのしょうゆ・ソースは使わない。料理にすでに味がついているなら、追いかけは不要です。

麺類

麺類はスープの塩分が大きく影響します。めん類は単品のめん自体の塩分は比較的少なく、問題の大半はスープにあります。

麺類の塩分比較(目安)

メニュー 食塩概算(スープ含む) ポイント
ラーメン(醤油・味噌系) 5〜7g程度 スープを残せば3〜4gに抑えられる
うどん(温、だし汁込み) 3〜5g程度 醤油系つゆの濃さによって差が大きい
ざるそば(つけつゆ) 2〜3g程度 つゆに全量浸けると増える。少量浸けが有効
担々麺・濃厚系ラーメン 6〜8g程度 スープを半量残しても3〜4g前後になる

※チェーンや店舗によって変わります。目安としての参照に留めてください。

麺類で最も効果的な対策はスープを残すことです。丸ごと飲み干すと1〜3g多くとることになります。

「もったいない」と感じる方も多いのですが、外食の麺類を選んだ日のスープは、飲み干さない前提で選ぶと割り切るのが現実的です。

ざるそばやもりそばは、つゆにつける量を少なくすることで塩分を抑えやすくなります。天ぷら・かきあげが乗るメニューは天つゆの塩分もあるので、天ぷらそのものを減らすか、つゆに戻さないようにすると違います。

丼は一見シンプルですが、タレや煮汁をご飯ごと食べる形式のため、塩分が全量食べに直結しやすい外食です。

丼の塩分比較(目安)

メニュー 食塩概算 ポイント
牛丼(並) 3〜4g程度 汁だくにするとタレが増える
親子丼 3〜4g程度 煮汁がご飯に染みる。定食形式の店なら汁を選べる
カツ丼 3〜5g程度 ソース系・だし醤油系で差あり
天丼 3〜5g程度 天つゆの量が多いと増える

※チェーンの公表値を参照した概算です。店舗差があります。

丼を選ぶときの工夫

  • 牛丼チェーンでは「汁だく」「つゆだく」のオーダーを避ける(タレが増える)。
  • お味噌汁セットは省くか、飲む場合は半量残す。
  • 丼より「定食」に切り替えられる店なら、定食の方がコントロールしやすい。

コンビニ

コンビニは食品の栄養成分表示を確認できる点で、外食の中では比較的把握しやすい選択肢です。

味噌汁(汁物の代表)

汁物の汁を半量残すだけで食塩を抑えられます ※画像はイメージです

コンビニ食品の塩分比較(目安)

食品 食塩概算(1個・1食) ポイント
おにぎり(塩・昆布系) 0.5〜0.8g程度 梅・辛子明太子系は1g超も
サンドイッチ(ハム・卵系) 1.5〜2g程度 パン+ハムで積み上がる
即席カップ麺 4〜6g程度 スープを半量残せば半減できる
コンビニ弁当(幕の内系) 3〜5g程度 漬物・塩辛系の小鉢が多い商品に注意
豆腐・おひたし系の副菜 0.3〜0.8g程度 タレを全量かけないことがポイント

※各チェーンの公表値を参照。商品によって異なります。購入前に成分表示を確認してください。

コンビニでは「食塩相当量」の欄を見てから選ぶ習慣をつけるだけで、選択の精度が大きく上がります。おにぎり2個+サンドイッチでは3g前後になるケースもあるため、副菜として豆腐や野菜の惣菜を組み合わせてバランスをとる方が賢明です。

外食全般で使える5つの行動術

外食全般の工夫

シーンを問わず、どの外食でも応用できる行動をまとめます。

今日から使える外食の塩分対策

  1. 汁物の汁は残す。スープ・みそ汁・つゆなど、汁系は飲み切らないのが基本。全量残す必要はなく、半分以上残すことを目安にする。
  2. 漬物・佃煮・梅干しは量を決める。定食についてくる漬物を全部食べると1〜2gを超えることがある。食べる量を最初から1〜2切れと決めてしまう。
  3. テーブルの調味料を使わない。しょうゆ・ソース・ドレッシングを追加しない日を作るだけで、外食の塩分が明らかに変わる。
  4. タレ・ドレッシングを「別添え」で頼む。サラダや揚げ物のソースを別にしてもらい、少量だけつける。対応してくれる店では積極的に使いたい選択肢。
  5. その日の他の食事で調整する。外食の日は家の食事を薄めにする。朝食・昼食で塩分を使い切っていなければ、夕食の外食に少し余裕ができる。

「制限している」という感覚を強くしすぎると外食そのものが苦痛になります。「全部をやめる」でなく「汁は残す」「追加調味料は使わない」の2点だけを意識する、という入り口でも十分な変化があります。

選びやすいメニューと選びにくいメニューの傾向

覚えておくと便利な、外食全般での傾向をまとめます。

選びやすい(相対的に塩分が少ない傾向)
– 焼き魚・蒸し鶏・冷奴など、シンプルな調理法のもの
– ざるそば・もりそば(つゆを少なめに使う前提)
– 海鮮系の丼(醤油を追加でかけない前提)
– 副菜として豆腐・おひたし・酢の物が選べるもの

選びにくい(塩分が多くなりやすい傾向)
– ラーメン・担々麺・濃厚スープ系(スープを残せば改善できる)
– ソース・醤油ダレが大量に使われる揚げ物系
– 漬物・塩辛・辛子明太子などが多く含まれる弁当・定食
– セットでみそ汁・漬物・小鉢が自動でつくもの(省けるか確認)

「選びやすい」のものでも、追加で調味料をかければ当然塩分は上がります。逆に「選びにくい」ものでも、スープを残す・漬物を残す・追加調味料を使わないで、かなり下げられます。選ぶメニューより行動の方が影響する部分は大きいです。

外食の頻度と1日全体のバランス

外食を完全にやめる必要はありません。ただし、頻度と1日全体のバランスを意識することが大切です。

週に数回外食する場合、外食のある日の他の食事を少し薄めにすることで、1日の合計を6g未満に近づけられます。外食1食で4gを使ったなら、残り2食で2gに抑える計算です。1食あたり1g前後というのは、薄味の家庭料理では十分達成可能な水準です。

外食=NG ではなく、外食した日は他の食事でバランスをとる。この考え方の方が長続きします。

外食が週5日以上と多い場合は、外食時の工夫(汁を残す・漬物を減らす等)だけでなく、食事全体の見直しが必要な状況になります。その場合は担当の管理栄養士に相談してみてください。

おわりに

外食でいちばん効果的な行動は、汁物の汁を残すことと、追加調味料を使わないことの2点です。

メニュー選びの前に、この2点を習慣にするだけで、1食あたりの食塩が1〜2g変わることがあります。完璧に制限しようとするより、「今日はスープを半分残した」という小さな成功を積み重ねる方が、血圧管理を長く続けられます。外食を楽しみながら、少しずつ自分のペースで工夫してみてください。


免責事項・参考基準

本記事は管理栄養士が執筆した一般的な情報提供で、特定の個人への医療行為や栄養指導の代わりではありません。高血圧の食事療法は、その方の病態・合併症・治療方針・服薬内容によって変わります。外食時の食塩の目安も、主治医から個別に指示されている量がある場合は、必ずそちらを優先してください。食事の変更や栄養量の調整は、主治医および担当管理栄養士の指示に従ってください。

参考にした基準・出典の系統

出典系統 内容 記事内の使用箇所
日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2025」 高血圧患者の食塩摂取目標:6g未満/日 「高血圧の1日食塩目標」表
日本人の食事摂取基準(2025年版)(厚生労働省) 成人の食塩相当量目標量:男性7.5g未満・女性6.5g未満/日 「高血圧の1日食塩目標」表

※掲載した外食の食塩概算値は各チェーンの公表値および日本食品標準成分表を参考にした目安であり、店舗・商品によって異なります。基準値は改訂で変わることがあります。最新は公式ページを確認してください。

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