「たんぱく質を意識しましょう」と健康番組でよく耳にしますが、1日に何g必要なのか、はっきり覚えている方は意外と少ないのではないでしょうか。
たんぱく質は筋肉・臓器・酵素・ホルモンの材料になる、体作りの基本栄養素。不足すると筋肉量が減り、転倒・サルコペニア・フレイルのリスクが高まります。逆に意識して摂れば、年齢を重ねても活動的に過ごせる土台になります。
この記事では、1日に必要なたんぱく質量の目安、毎食に分けて摂るコツ、肉・魚・卵・大豆製品のローテーションの組み立て方をまとめます。
◆ この記事でわかること
- たんぱく質の1日目標量(年齢・体重別)
- 毎食20g前後を確保する具体的な食材量
- 肉・魚・卵・大豆をローテーションする組み立て方
- 朝食でたんぱく質を増やすちょっとした工夫
たんぱく質の1日目標量は体重で考える

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人のたんぱく質目標量を体重1kgあたり1.0〜1.2g/日としています。
| 体重 | 1日のたんぱく質目安 |
|---|---|
| 50kg | 50〜60g |
| 60kg | 60〜72g |
| 70kg | 70〜84g |
高齢者はフレイル予防の観点で 1.0〜1.2g/kg のうち、やや高めを推奨されています。65歳以上の方は積極側で考えるとよい。
3食に均等配分すると1食あたり15〜25g。これを覚えておくと、献立を考えるときの物差しになります。
1食20gはどんな量か(食材別の目安)
「20g」と数字だけ言われてもイメージしにくいので、食材ごとの目安をまとめます。
◆ たんぱく質20gを単独で摂るための食材量
| 食材 | たんぱく質20gの量 | 感覚的な目安 |
| 鶏むね肉(皮なし) | 約90g | 手のひら1枚分 |
| 鶏ささみ | 約90g | 2本 |
| 豚もも肉(赤身) | 約100g | 薄切り4〜5枚 |
| 鯖(生) | 約100g | 1切れ |
| 鮭(生) | 約90g | 切り身1切れ弱 |
| 卵 | 3個 | — |
| 絹ごし豆腐 | 約400g | 1丁以上(多い) |
| 納豆 | 3パック | 多すぎる |
豆腐や納豆だけで1食20gを達成するのは現実的でないので、複数のたんぱく源を組み合わせるのが基本です。
鶏ささみの梅しそ蒸し|朝食にも使える低脂質たんぱく源
朝食でたんぱく質を確保するときに重宝するのが鶏ささみ。低脂質・高たんぱくで、火を通せばそのままサラダや和え物に使えます。

鶏ささみの梅しそ蒸し|1本(45g)でたんぱく質約10g、低脂質・低糖質で朝食にも常備菜にも使える ※画像はイメージです
| 鶏ささみ | 4本(180g) |
| 梅干し | 2個(種を取る) |
| 大葉 | 4枚 |
| 酒 | 大さじ1 |
| 塩 | 少々 |
-
ささみは筋を取り、観音開きにして塩・酒を振る。
-
梅干しと大葉を細かく刻んでささみに塗り、くるくる巻く。
-
耐熱皿に並べ、ラップをして電子レンジ600Wで3〜4分加熱。粗熱を取り、食べやすい厚さに切る。
冷蔵で3〜4日持つので、平日の朝食用に作り置きしておくと便利です。
肉・魚・卵・大豆をローテーションする
毎食同じ食材だと飽きるし、栄養も偏ります。1日のうちで4種類のたんぱく源を回すのが理想形。
★ 1日の組み立て例(合計たんぱく質約60g)
- 朝: 納豆1パック(7g)+卵1個(6g)+牛乳150ml(5g)=約18g
- 昼: 鶏むね肉のサラダ80g(17g)+豆腐の味噌汁(3g)=約20g
- 夕: 鯖の塩焼き80g(17g)+冷奴100g(5g)+枝豆30g(3g)=約25g
合計60g前後。「主菜1品+副菜にもう1つたんぱく源」のセットを各食に組み込むのが、毎食20gの近道です。
朝食のたんぱく質を増やすコツ
たんぱく質不足が起きやすいのは朝食です。和食でもパン食でも、ちょっとした工夫で増やせます。
★ 朝食たんぱく質増量テク
- 和食派: 納豆+卵+具だくさん味噌汁(豆腐入り)で15g以上
- パン派: 卵料理+ヨーグルト+牛乳を組み合わせる
- 時短派: ゆで卵を作り置き/プロテインヨーグルトを活用
- 食欲がない朝: 牛乳・豆乳・プロテイン飲料を1杯
朝食でたんぱく質を抜くと、午前中の集中力低下や、夕食での過食につながりやすい傾向があります。
摂りすぎは大丈夫か
「たんぱく質を摂りすぎると腎臓に悪い」と聞いた方もいるかもしれません。腎機能が低下している方では摂取量を医師が個別に指示しますが、腎機能が正常な健康な成人では、通常の食事の範囲で摂りすぎを心配する必要はないとされています。
ただし、プロテインパウダーやサプリメントで一気に大量摂取するのは別問題。食事から摂る分には、1日2.0g/kg程度までは安全とする報告が多いですが、個人差があるため気になる場合は医師に相談を。
おわりに
たんぱく質は「1日合計」ではなく「毎食に分けて」が合言葉。朝・昼・夕それぞれに主菜+もう1つのたんぱく源を入れる。これだけで自然と1日60g前後に届きます。
明日の朝食に、納豆か卵をもう1品加えてみてください。続けるうちに、午後の活動量や夕方の疲れ方に変化を感じるかもしれません。
バランスの整え方はバランスのよい食事とは|主食・主菜・副菜の整え方、糖尿病で意識したいたんぱく質の話は糖尿病の食事でたんぱく質をしっかり摂る方法で続けて読めます。
免責事項・参考基準
本記事は管理栄養士が執筆した一般的な情報提供で、特定の病態や個人への栄養指導の代わりではありません。腎機能の低下を指摘されている方・透析中の方・妊娠中の方など、たんぱく質量の個別調整が必要な状態にある方は、必ず主治医および担当管理栄養士の指示を優先してください。
参考にした基準・出典の系統
| 出典系統 | 内容 | 記事内の使用箇所 |
|---|---|---|
| 日本人の食事摂取基準(2025年版)(厚生労働省) | たんぱく質目標量(1.0〜1.2g/kg/日) | 「1日目標量」節 |
| 日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省) | 食材のたんぱく質量 | 食材別たんぱく質20g目安・献立例 |
※基準は改訂で変わることがあります。最新は公式ページを確認してください。


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