血糖と食事の記録が続かない人へ|書く項目を3つに絞る

糖尿病ケア

「三日坊主で終わってしまった」。食事記録や血糖値の記録について、こう話す方によく出会います。最初の1週間は几帳面に書けていたのに、忙しい日が続いてノートを開かなくなる。そんな経験がある方は、決して少なくないと思います。

記録が続かないのは、意志の弱さの問題というより、書く項目が多すぎることが原因の場合が多いです。この記事では、よく聞かれる5つの疑問に、1問ずつ答える形で進めます。読みながら、自分に近い質問だけ拾ってもらえたらと思います。

この記事でわかること

  • 書く項目を3つまで絞る具体的なやり方
  • 抜けた日をどう扱えばいいか
  • 紙とアプリ、どちらを選ぶかの物差し
  • 記録を見返すときのコツ
  • 受診のときに持っていく残し方

Q1. 何を書けばいいのか分からず、結局続きません

書く項目を3つに絞る

書く項目を、まず3つに絞ってください。「食べたもの」「食べた時間」「その日の体調、もしくは測った血糖値」です。この3つだけあれば、あとから振り返ったときに十分な手がかりになります。

はじめのうちは、カロリーや糖質量まで細かく書き込もうとして疲れてしまう方が多いです。食べたものは品目だけでよく、「ご飯・焼き魚・味噌汁」のように単語を並べるだけでも十分です。細かい数値は、あとで気になったときに調べれば足ります。まずは3項目を、毎日欄を埋められる形で残すことを優先してください。


Q2. 毎食きっちり書けない日があります

抜けた日は空欄のまま進む

抜けた日は、空欄のまま次へ進んでください。あとから思い出して埋め直す必要はありません。

記録が途切れがちな方の話を聞くと、「昨日の分を埋めていないから、今日はもう書かなくていいか」となってしまうケースがよくあります。空欄を埋めることに気を取られると、そこで記録自体が止まってしまいます。1日抜けても、翌日からまた欄を埋め始めればそれで十分です。飛び飛びの記録でも、続いている限り傾向はつかめます。


Q3. 紙とアプリ、どちらがいいですか

紙とアプリの選び方

どちらが正解ということはなく、続けやすいほうを選んでください。選ぶときの物差しは、見返しやすさ・入力の手数・受診で見せやすさの3点です。

紙のノートは、パッと開いて1週間分をひと目で見渡せるのが強みです。一方でアプリは、入力の手数が少なく済み、外出先でもすぐ記録できます。どちらを使うにしても、受診のときにそのまま持っていって見せられる形かどうかは、選ぶ前に確認しておくとよいです。特定のアプリ名を挙げることはしませんが、シンプルに数字と品目を入れるだけのものであれば、どれを選んでも大きな差は出にくいはずです。


Q4. 書いた記録を、どう見返せばいいですか

記録を犯人探しにしない

犯人探しにしないことが、いちばん大事です。「あの日食べすぎたから悪かった」と1日ごとに反省するのではなく、1週間から2週間分をまとめて眺めて、傾向を1つ見つけるくらいでかまいません。

たとえば「土日の記録が抜けやすい」「間食の時間が遅い日が多い」など、繰り返し出てくる傾向があれば、それが今の自分に必要な手がかりです。見返す目的は、過去を責めることではなく、次の1週間で試すことを1つ決めるためです。ここで見つけた傾向は、糖尿病でも糖質は摂っていい?1日の目安と上手な摂り方のような日々の目安と照らし合わせると、より具体的に次の一手が見えてきます。


Q5. 受診のとき、何を持っていけばいいですか

受診で伝わる残し方

期間がわかる形で、食事以外の出来事も1行添えて持っていってください。「いつからいつまでの記録か」がはっきりしていると、主治医や担当の管理栄養士も状況をつかみやすくなります。

体調の変化・外食が続いた日・体重の増減など、食事の欄だけでは伝わらない出来事も、余白に一言メモしておくと役立ちます。きれいに整えた記録である必要はなく、抜けた日があってもそのまま見せてかまいません。むしろ「ここが抜けがちでした」と伝えること自体が、次の相談の材料になります。


記録に書きやすい常備菜を1品

記録に書きやすい常備菜

食事記録は、品目を単語で書くだけでよいとお伝えしましたが、常備菜が1品あると「たたきごぼう」のように短く書けて負担が減ります。作り置きができる副菜を紹介します。

たたきごぼう

たたきごぼう|1人分の目安量 ※画像はイメージです

材料1人分
ごぼう(根・生) 60g
いりごま 5g
こいくちしょうゆ 6g
米酢 5g
上白糖 3g
  1. ごぼうはよく洗い、めん棒などで軽く叩いてひびを入れたあと、食べやすい長さに切る。

  2. 酢水にさらしてアクを抜いたあと、やわらかくなるまで下茹でする。

  3. しょうゆ・米酢・上白糖を合わせ、水気を切ったごぼうと和える。

  4. いりごまを加えて全体を軽く混ぜ、味をなじませたら器に盛る。

栄養価(1人分の目安)

83.6kcal
エネルギー
14.0g
炭水化物
4.1g
食物繊維
0.9g
食塩相当量

作り置きしておけば、記録の欄には「たたきごぼう」の一言で済みます。毎回のメニューを考える手間が減ると、記録そのものを続けやすくなります。食物繊維を増やしたい方は、糖尿病の食事で食物繊維を増やすコツ|1日20gの摂り方も参考にしてください。


おわりに

記録は、完璧に埋めることが目的ではありません。書く項目を3つに絞り、抜けた日はそのままにして、続いている記録だけを見返す。それだけで、次にできることが見えてきます。

質問しそびれたことや、記録の続け方そのものに迷いがあるときは、受診のときに主治医や担当の管理栄養士へ、そのまま持っていって相談してみてください。ぼちぼち、できる形を一緒に探していけたらと思います。


免責事項・参考基準

本記事は管理栄養士が執筆した一般的な情報提供で、特定の個人への医療行為や栄養指導の代わりではありません。血糖値の変動や食事記録のとり方は、治療内容・服薬状況によって注意点が異なります。記録の項目や頻度について具体的な指示がある方は、必ず主治医および担当管理栄養士の指示を優先してください。

参考にした基準・出典の系統

出典系統 内容 記事内の使用箇所
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」 血糖自己管理・セルフモニタリングの考え方 Q3・Q5の節
日本食品標準成分表2020年版(八訂)文部科学省 食材のエネルギー・栄養素量 レシピの栄養価グリッド

※基準は改訂で変わることがあります。最新は各公式ページをご確認ください。

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