健康診断でLDLコレステロールや中性脂肪の値を指摘されたとき、「青魚を食べると良い」と言われた経験はありませんか?
実際、青魚に含まれるEPA・DHA(オメガ3系脂肪酸)は、脂質異常症の食事療法でしっかり位置づけられた栄養素です。鯖・いわし・さんま・あじ。スーパーで普通に並ぶ魚たちが、まさに脂質ケアの主役になります。
この記事では、青魚が脂質異常症に役立つ仕組み、1週間で目指したい量、続けやすい食べ方を、データを示しながらまとめます。
◆ この記事でわかること
- EPA・DHAが体で果たす役割(中性脂肪・血管との関係)
- 1週間で目安にしたい青魚の量
- 鯖・いわし・さんま・あじの選び方と栄養比較
- 缶詰・冷凍を活用した続けやすい取り入れ方
- 気をつけたい注意点(プリン体・水銀・調理油)
EPA・DHAが脂質異常症で注目される理由

EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚の脂に多く含まれるオメガ3系脂肪酸。動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022でも、脂質異常症の食事療法で摂取が推奨される栄養素として扱われています。
具体的な働きとしては:
◆ EPA・DHAの主な働き
- 中性脂肪を下げる方向に働く: 肝臓での中性脂肪合成を抑える
- 血液をサラサラに保つ方向に働く: 血小板の凝集を緩める
- 血管の炎症を抑える: 動脈硬化の進行に関わる炎症性物質を調整
LDLコレステロールよりも中性脂肪に対して効きやすい栄養素とされており、中性脂肪が高めの方には特に意識する価値があります。
1週間で青魚をどれくらい食べたいか
動脈硬化学会のガイドラインでは、魚(特に青魚)を週2回以上取り入れることが推奨されています。1食あたりの目安は80〜100g程度。1週間で考えると、青魚の切り身を2〜3切れ食べるイメージです。
◆ 青魚100gあたりのEPA・DHA量(目安)
| 魚 | EPA | DHA | 合計 |
| 本鯖(生) | 約690mg | 約970mg | 約1.7g |
| いわし(生) | 約780mg | 約870mg | 約1.6g |
| さんま(生) | 約840mg | 約1,400mg | 約2.2g |
| あじ(生) | 約300mg | 約570mg | 約0.9g |
| 鮭(生) | 約490mg | 約820mg | 約1.3g |
DHAを単独で見るとさんまが頭一つ抜けています。手軽さでは1年中安定して手に入る鯖が有利。価格を考えると鯖と缶詰の組み合わせが王道です。
いわしの梅煮|続けやすい青魚レシピ
「青魚は調理が面倒」と感じる方には、煮物がおすすめです。下処理が骨と内臓を取り除くだけで、味付けもシンプル。

いわしの梅煮|梅干しの酸味で青魚の臭みを抑え、しょうゆを少量に抑えた減塩レシピ。冷蔵で3〜4日持つので作り置きに ※画像はイメージです
| いわし(中サイズ) | 2尾(200g) |
| 梅干し | 1個 |
| しょうが(薄切り) | 5枚 |
| しょうゆ | 大さじ1 |
| 本みりん | 大さじ1 |
| 酒 | 大さじ2 |
| 水 | 100ml |
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いわしは頭と内臓を取り、流水でよく洗う。3〜4cmのぶつ切りにする。
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鍋に水・しょうゆ・みりん・酒・しょうが・梅干しを入れて中火で煮立てる。
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いわしを並べ入れ、落としぶたをして弱火で15〜20分煮る。
◆ 栄養価(1人分の目安)
梅の酸味で青魚特有の臭みが和らぎ、しょうゆを減らしても満足できる味に仕上がります。
缶詰・冷凍をうまく使う
毎週生魚を調理するのは大変です。鯖の水煮缶・いわしの水煮缶は、調理不要でEPA・DHAをそのまま摂れる頼れる味方。
★ 缶詰・冷凍の活用アイデア
- 鯖の水煮缶: そのままサラダにのせる・味噌汁の具に・カレーに加える
- いわしの水煮缶: 大根おろしと和える・パスタの具・トマト煮
- 冷凍さば切り身: 解凍後すぐ焼ける・煮魚にも
- 冷凍さんま開き: 旬を外れても食べたいときに
ただし味付き缶詰(味噌煮・蒲焼風など)は塩分・糖分が高めです。脂質異常症で高血圧も併発している方は、水煮を基本にしてください。
青魚を続けるときの注意点
EPA・DHAが豊富な青魚にも、いくつか気をつけたいポイントがあります。
◆ 青魚の注意点
- プリン体: いわし・あじ・さんまはプリン体がやや多い。痛風・高尿酸血症の方は1回量を抑える
- 水銀: 妊娠中・授乳中の方はマグロ・メカジキ等の大型魚を控える(厚労省指針)。青魚は基本的に問題なし
- 調理油: 揚げ物にするとせっかくのEPA・DHAが酸化しやすい。煮る・焼く・蒸すが向く
- 塩焼きの塩分: 振り塩を控えめにする。レモン・大根おろしで味の輪郭を出す
調理法による違いも大きく、揚げ物より煮魚・塩焼きのほうがEPA・DHAをそのまま摂れます。
おわりに
脂質異常症の食事療法は、油を減らすだけでなく良質な油を選んで足す視点が大切です。青魚のEPA・DHAはその代表格。
今週の買い物カゴに、鯖か鯖缶を1つ加えてみてください。「青魚を週2回」を3か月続けると、中性脂肪の値に変化を感じる方が出てきます(個人差はあります)。
青魚と大豆を組み合わせた節約レシピはコレステロールが気になる人の節約レシピ|青魚と大豆で、食物繊維との組み合わせはコレステロールを下げる食物繊維|野菜・海藻・きのこで続きが読めます。
免責事項・参考基準
本記事は管理栄養士が執筆した一般的な情報提供で、特定の個人への医療行為や栄養指導の代わりではありません。脂質異常症の食事療法は、血液検査の数値・合併症・服薬内容によって最適な内容が変わります。食事の変更前には、必ず主治医および担当管理栄養士の指示を優先してください。
参考にした基準・出典の系統
| 出典系統 | 内容 | 記事内の使用箇所 |
|---|---|---|
| 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」 | 青魚・EPA/DHAの推奨 | 「EPA・DHAが注目される理由」節 |
| 日本人の食事摂取基準(2025年版)(厚生労働省) | n-3系脂肪酸の目安量 | 「1週間で食べたい量」節 |
| 日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省) | 魚の脂質組成(EPA/DHA量) | 青魚100gあたり比較表 |
※基準は改訂で変わることがあります。最新は公式ページを確認してください。

